東芝テック株式会社

手さぐりのオフサイト・コーディネーター活動~現場の想いからはじまって、全国に展開中!

国内17年連続No.1シェア、リーディングカンパニーのPOSレジ部門は、なぜ業績が良いのに風土改革を始めたのか。一支社長の想いから始まって全国の支社に展開していくプロセス、トップダウンの根強い企業文化のなかで“ボトムアップの現場力を引き出す”各支社のオフサイト・コーディネーターたちの試行錯誤をお伝えします。

東芝テック株式会社

総務部第一総務室 参事: 綿貫 琢也 ほか

東芝テックのPOSレジ部門で始まった、オフサイトミーティングという対話の手法を活用した現場力を引き出す取組み。国内シェア17年連続No1.のPOSレジ部門の業績はいい。
業績のいい会社で何が問題だと感じられていたのか。全国の支社で、何をめざし、どんな活動が行なわれているのか、その想いを時にユーモアを交えて語ってくれた。

社内の風土に関する課題は、「高齢化による若手とベテランとのギャップ」「会社、事業の統合の経緯から一つになり切れていない」「若手の離職者が多い」「長時間労働になりやすい環境」。エンゲージメント係数が低く、業績の良さとの矛盾も感じていた。
そんな中で対話をベースにした風土改革の活動は始まった。

東芝テックの取組みの特徴は、オフサイトミーティング形式の対話を用いて現場に即したやり方で進めるために、自由闊達なやりとりができるよう対話のコーディネーター(オフサイト・コーディネーター、以下OC)の養成しているところである。OCを中心に階層別の対話会、テーマ別の対話会など自主的な対話会を開催している。
もちろん、その開催を可能にするのは、各組織長の取組みについての理解である。うまく理解を得られない職場もありOCを悩ませていたりもする。組織長の理解を得るのもOCの役割であり、支社長の力を借りて話してもらうなど工夫をしている。

対話会(オフサイト)で出てきた業務の課題を会議 (オンサイト)で解決したり、組織タテやヨコの人のつながりができたり、活動の成果は随所に出てきてはいる。しかし、活動を続けていくうちに、カベにぶつかったり、行き詰まりを感じたり、悩みごとが増えたりもする。「担当業務との両立が難しい」「忙しくて時間が取れない」「対話会で出た意見のフィードバックに苦戦」「OCのまとまりがない」「OCの参加者減少、固定化」など、うまくいっていないことも正直に語ってくれた。

悩んでいるときに必要なのは、目的を共有し合う同じOCの仲間。全国のOCの集まり「OC総会」には多くのメンバーが参加し、他支社のOCと活動の内容や悩みを共有し、刺激し合うことで元気になれた、という感想が多かったそうである。
「なぜ風土改革をしなければならないのか」という本質的な問いにも向き合い、対話を重ねながら続けるオフサイト・コーディネーターたちの試行錯誤は、まさに自分ごとの活動になっている。

アンケートにお寄せ頂いた声(一部)

  • これからオフサイトミーティングを活用して、チームの目標決めをしようとしているため、実践者が語る注意点、ポイントが具体的でわかりやすかった
  • 発起人が事業部長とトップの思いがあると進むし、その事で、現場の思いをつなげていくテックの活動は興味深い。
  • シニア層のオフサイトミーティングの話を具体的に聞けてよかった。