パナソニック株式会社 アプライアンス社

部長チームが変われば組織は動く
~部門間スクラムで未来を拓く

事の始まりは、事業部長の仮説「品質を良くするのに、対話が効くのではないか」。品質を良くしていくためには、部門間の連携がカギ!「対話力強化」をやるぞ!とスタート。中堅・若手メンバーへの期待も大きかったが、部門間の連携のためには、やはり部長同士の連携が重要な条件。まずは部長から対話を始める。しかし、当の部長たちは「何をやらせるんだ…?」と様子を伺い……。その後の部長チームの変化のお話です。

パナソニック株式会社 アプライアンス社
ランドリー・クリーナー事業部

⼈事・総務センター 部⻑: 永濱 丈史
静岡⼯場 ⼯場⻑: 廣⽥ 亮治

洗濯機事業の最大の課題はさらなる品質向上。しかし、各部門はバラバラに動いていて部門間にこぼれ落ちる仕事を拾えず様々なロスが発生していた。部門間連携を高めるべく、対話活動を推進したのが永濱さんと廣田さんだ。

まず部長層の対話から始めた。合宿や2週間ごとのミーティングを重ね、「事業をもっと良くするためには何が必要か」を話し合った。当初は部長たちから「ゴールは何か」「いつ結果につながるのか」と抵抗感があった。出口が見えずしんどかったと永濱さんは振り返る。

部長層は事業部長の意見を待つ傾向があり、未来に向けた議論ができるようになるには時間がかかったのだが、あるとき変化が現れた。事業部長が口を挟まなくても、部長同士で対話を進めて、新しい取組みを始めるようになったのだ。

積み重ねてきたミーティングを通じて、悩みや考えが同じであると分かり、話すべきことをしっかり話せる関係が築かれた結果、連携ができるようになっていた。部長層で起こった変化は部下にも浸透していった。

その後、部長ミーティングで確認された事業部の「大目的」と各部門をつなぐ機能として、対話リーダーが育成された。対話リーダーは、「大目的」に照らして自部門の目的を定め浸透させる働きをした。他にも部長と部下のつなぎ役や部門を超えたネットワークづくりも担っている。

年齢構成の偏りも影響してメンバーのあきらめ感が強かった静岡工場では、動きたくてもどうにもならず苦しんでいた係長層との対話活動を廣田さんが始め、教育や作業環境に手を打って負担を軽減した。また、高卒若手が自発的に課題を設定し行動する活動を見守り、自立を促した。

このような一連の活動を通じて、話がスムーズにできる風土になり、品質の面でも優良企業として表彰を受けた。活動の突破口が何だったのか。永濱さん、廣田さんは、「今もわからない」と言う。大事なのはトップのコミットメントのもとでやり続けること。生の声を聴いて活動をブラッシュアップすること。最後にもう一度「やってみるしかない。やり続けることが一番大事」と言って発表を締めくくった。

アンケートにお寄せ頂いた声(一部)

  • 職場の目指す目標と、それに対して部長含め、皆さんの問題点や、つながりを大事にし、部長自らが動いて改善している姿が良かった。
  • 部長層のオフサイトミーティングが半年近く議論がループしていたことについて、今の自社の現状と同じだと感じた。対話を長く続けることにより、メンバーの意識が変わっていく事を理解できた。
  • 巨大メーカーのタテ割り業務をマネジャークラスのメンバーから改革していく取組みが印象的だった。