有限会社きたもっく

地域未来創造事業体の挑戦~今の時代だからこそ“大義”という旗が必要だ

25年前、荒れ果てた大地に1本ずつ木を植えたところから始まったスウィートグラス。その大地は今、年間10万人の人々が集う場になりました。3年前からは、森林活用、養蜂、「TAKIVIVA」 などの事業展開を仕掛けています。この多面的な事業展開の根っこに通底しているものは、よりよい社会を創るという“大義”。その一端にふれていただくセッションです。

有限会社きたもっく
(キャンプ場「北軽井沢スウィートグラス」運営会社)

代表取締役: 福嶋 誠
代表取締役: 福嶋 明美

年間10万人が集う浅間山麓キャンプ場のスウィートグラス。それは福嶋さんのUターンから始まった。
東京で虚勢を張って生きてきた福嶋さん。広大な自然に包まれると「素の自分」に戻れることを知った。自分の小ささに気づかされた。「自然と人間はつながっている」と実感した。
この感動を多くの人と共有するために始めたのがスウィートグラスだ。

でも、その土地は火山灰に埋もれた荒地だった。人が生きるには木が必要だ。福嶋さんは植林に取り組んだ。5000本の木を植えた。でも1000本しか根付かなかった。どうせダメなら…と思って、いろんな種類の木を密集して植えてみた。これが当たった。わかったことは「木も人と同じだ。一本だけでは生きられない」。
林ができ、キャンプ場のリピーターも増えた。ようやく先が見えてきたときに、それは起こった。浅間山の大噴火だ。キャンプ場は火口からわずか8km。なんたる不運。福嶋さんは自分の生き方を問い直した。

そしてみつけた言葉が「ルオム(自然に従う生き方)」。これを会社の大義にした。すると若くて優秀なメンバーが集まってくれるようになった。周囲の観光施設が廃業を強いられる中、スウィートグラスだけはお客様を減らすことがなかった。「浅間高原の奇跡」とまで言われた。福嶋さんは改めて大義の重要性を意識した。そして自分たちの本当の仕事は「家族再生業」だと気づいた。いまの日本、崩壊している家族が増えている。それをスウィートグラスという場で再生させる。これが社会に貢献する道だと確信した。

活動には人のエネルギーが不可欠だ。それは「想い」から始まる。想いは「大義」に結晶化し「ストーリー」を生み出す。ストーリーに共感することで人はエネルギーを得て「躍動」する。躍動が新たな想いを引き出す。このサイクルが今や地域活性化の原動力にもなっている。自然の中に未来をつくりだす福嶋さんのパワーを実感できて、とても感慨深い発表だった。

アンケートにお寄せ頂いた声(一部)

  • 事業だけでなく地域にも目を向けている。
  • 組織の理念やビジョンの部分と、ビジネス的な考え方の部分とのバランスや大切にするべき物をとても考えさせられました。
  • 理念を変えて人材があつまってきたこと、大義、ストーリーの重要性等、共感を覚えた