東芝エネルギーシステムズ株式会社

経営問題の大逆風下における、再生に向けた風土改革

不適切会計・原子力巨大損失による経営問題に直面し、再生に向けた風土改革を決意。一番の特効薬は「利益が出る魅力的な事業部」になること。加えて、将来性のあるsustainableなビジョンが必要だった。現場のコアメンバーの活躍により、部長層が本音をぶつけ合い、チームとして一枚岩になることからスタート。事業部全体を巻き込んだ”生きた”ビジョンづくりにつながる挑戦をご紹介します。

東芝エネルギーシステムズ株式会社

グリッド・アグリゲーション事業部
副事業部長 アグリゲーション事業責任者: 小園 典晃

会場3の第2部では、不正会計に揺れた東芝グループから東芝エネルギーシステムズ(株)の小園副事業部長が登壇し、自身がトップを務めるエネルギー・アグリゲーション事業での組織風土の取り組みを発表した。
不正会計が発覚しネガティブな情報が飛び交う中、小さな息子さんは涙ながらに「親父の会社はつぶれない」と話されたという。公私ともに信頼感を失った苦悩を赤裸々に語られた。

実は、全社的な風土改革を始める前から、小園さんは問題意識を抱えていたという。他社を良く知る派遣さんや保健師さんからのコメント、内向き志向などから、東芝の風土には課題があると考えていた。
不正の原因となった“事実・実態を話せないような組織風土”のなか、ジブンガタリやオフサイトミーティングを活用しながら、全社的な風土改革がスタート。小園さんがトップを務めるエネルギー・アグリゲーション事業でも、若手コアメンバーを中心として、自主的な活動を開始した。
小園さんはスポンサーとして自発的な想いを引き出すことに注力。若手が自らの力で風土を良くするために必要なアクションを取り出した。紆余曲折を経て若手コアメンバーからは「自分たちの将来に必要だ」と考える本気の事業アイデアが提出された。そして、部長達はそれに呼応する形でアイデアを取り入れた新たなビジョンづくりに取り組むことになった。

事業部内にある4つのビジネスユニットが、どのようにシナジーを生み出し、競合に打ち勝つか、事業部全体でオフサイトミーティングを実施し、新ビジョンを具体化し、自分ゴト化していった。その対話は今でも続いている。
まだ東芝エネルギーシステムズの風土改革は道半ばである。小園さんは「風土は良くできる!」と力強く語る一方で、「変わり続けなければ死んでしまう」とも語る。従業員が安心して働ける、力強い組織づくりを目指した小園さんの挑戦はこれからも続いていくだろう。

アンケートにお寄せ頂いた声(一部)

  • スポンサーシップ自ら10条のつくり、それに共感するメンバーを集めていった点が参考になりました。
  • 活動のスポンサー自身がやってきたことについて話していただいたので、わかりやすかった。